長井 雅弥

ぐるんとびーの人

People

利用者さんが希望する暮らしを実現する。

長井 雅弥

訪問看護ステーション 所属/理学療法士
富山県富山市出身。O型。牡羊座。

「リハビリなんて行きたくない」

理学療法士の仕事は、骨軟骨腫を患った小学生のときにリハビリを通じて知りました。祖母が看護師で、医療を身近に感じていたこともあり、理学療法士の道へ進むことを決めました。

最初に就職したのは地元の病院です。入職早々に訪問リハビリテーション部門の立ち上げにも関わることができて、スタートは順調でした。患者さんが身体の機能を取り戻し、元気になっていくことにやりがいを感じていました。

当時の“ゴール”は、利用者さんがデイサービスやデイケアに通えるようになることです。身体の状態がよくなり、訪問リハビリの役目が終了すると「ご本人やご家族の暮らしに貢献できたかな」と感じていました。
ところが、ある女性の利用者さんが訪問リハビリ最終日にふと漏らした言葉に衝撃を受けました。

「私、本当はデイサービスなんて行きたくないんだよね…。でも行かないと家族が困っちゃうから仕方なく行くんだよ…。」

これまで、ご自分の気持ちを抑え込んでいたのだと知って本当にショックを受けました。利用者さんの幸福のために仕事をしてきたつもりが、僕は「その人にとっての幸福とは何か」さえ、理解できていなかったのです。
「これまでも、利用者さんの幸福につながっていると、もしかしたら自分が思い込んでいただけではないのか」という疑問が生まれました。

自分が信じられるリハビリの姿を探して、たくさんの本を読みあさりました。著名な方の講演を聞きに新潟まで出かけたこともあります。
そのなかで、ぐるんとびーの存在を知り、代表の菅原健介さんのSNSの投稿を見るうちに「ここまで利用者さんの生活を支えることに全力で取り組んでいるところがあるのか」と衝撃を受けました。

募集していなくても、
ここで働きたい。

すぐに問い合わせたところ「今は理学療法士を募集していない」と言われましたが、「それでも一度見学させてほしい」と頼み込んで、ぐるんとびーを訪れました。
コロナ禍の真っただ中で家族に反対されても、富山から藤沢へと向かったのは「このタイミングを逃したら、ずっと一歩を踏み出せない」そんな気がしていたからです。

見学した日は、あるスタッフの結婚式が団地の中の施設で行われる日で、僕も参加させてもらえることになりました。披露宴を演出するスタッフの本気さ、参加している利用者さんの笑顔。ここまで地域のみなさんとの関係を作れるのは「本物だ」とすぐに感じられました。

「自分が追い求めていたものがここにあります。ぜひここで働かせてください」と見学の終わりに面談を設定していただき伝えました。熱意が伝わったのか、予定外の内定をいただけて本当に嬉しかったです。

それまでのリハビリは機能回復。つまり手の動きをよくする、歩けるようにすることが主な目的でした。しかし今は、機能回復は手段のひとつに過ぎません。「利用者さんがやりたいこと、叶えたいことの本質をとらえて手助けをする」というぐるんとびーの理念に基づいています。

例えば、利用者さんの願いが「桜を見たい」なら、必ずしも自分の足で歩く必要はありません。「桜は見たいけど、しんどい思いをしたくないと考えているかもしれない」と、僕たちが想いを巡らせればよいわけです。だから日々、みなさんの本当にやりたいことを聞こう、話してもらえるようにしよう、理解しようと全力を尽くします。

ここに来て1年半ほど経ちましたが、楽しいことばかりではありません。むしろ大変なことのほうが多いです。そもそも生活とはすべてが、楽しい時間で成り立っているわけではありません。利用者さんは何かしら不自由さを感じているから、介護サービスを利用しているので、楽しいことばかりのはずがないのです。

利用者さんの身体の痛みや葛藤、悔しさなどを、僕たちが完璧に機能回復して解決するのは大変難しいことです。訪問看護ステーションでは、時間的な制約があるのでみなさんの生活を広範囲で支える難しさも感じています。
それでも、今ぐるんとびーでの日々の仕事こそ、僕がやりたかったことなのです。

理学療法士のキャリアの主流は、脳卒中や心不全などの特定の疾患のリハビリの専門性を高めて、ステップアップしていくことかもしれません。ただ、僕は訪問リハビリの理学療法士にしか味わえない醍醐味を感じています。

大切な利用者さんの気持ち
を最優先に考える介護を。

“精神や文化を含めたその人の本質を見る”というぐるんとびーの理念を体現するために僕が実践していること。それは利用者さんから教わった「好き」を僕自身が体験することです。

きっかけは他愛もない会話から始まって「好きな場所、食堂、お酒、本」などを教えてもらうだけです。僕は実際にその場所に訪れて自分自身で体験したことを、利用者さんにお伝えします。それを聞いた利用者さんは喜んでくれますし、僕自身もその人の社会・文化に触れた気がして一層、つながった感覚を得られます。

これまでも、愛飲されていたウィスキーを取り寄せたり、会話に出てきた懐かしのハンバーグ屋さんまで遠出したりもしました。おすすめされた本もたくさん読みました。休日のリフレッシュも兼ねつつ、利用者さん一人ひとりと関係を築くきっかけにもなる僕の大切な時間です。

「どこまでも利用者さんを主語にして語ること」が僕が探し求めていたものだったと、ぐるんとびーに来て気づきました。提供する側の効率よりも、利用者さんの気持ちを最優先に考える介護を、これからも探求していきます。

理学療法士 長井さんの歩み

長井さんは、生まれ故郷の富山県の病院で理学療法士として働き始めました。訪問リハビリ部門の立ち上げに関わり、在宅の道へ。現在は、訪問看護の事業所に所属し、利用者さんの生活に深く入り込み、面で支えられる理学療法士を目指しています。

理学療法士 長井さんの1週間

平日の朝は地域活動としてラジオ体操からスタート。日中は、利用者さんの自宅を車でまわります。多い日で1日に8件訪問することも。週2日の休みは基本的に週末です。

①訪問先でのケア

ご自宅にお伺いして、ケアを行います。ご本人の希望や体調にあわせて、メニューを組み立てます。

②事務所に戻るとカルテ入力

1日の訪問を終えて事務所に戻ったら、訪問記録をすべてカルテに入力します。記録は次回の訪問時にも重要な情報になります。

③管理者への報告、相談

その日にあったこと、利用者さんの様子を管理者に報告。「こんなときどうするのがいいか?」などを相談して、知見を深めていきます。

④休日は、時々ぐるんとびースタッフとレジャーへ

同じ趣味を持つ仲間と一緒に休みの日はお出かけ! この日は、みんなでキャンプにいきました! 仲間で趣味も共有できるのがぐるんとびーの魅力!

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スタッフが、ご自宅もしくはぐるんとびーで、ご利用者さまやご家族の状況・お考えについてお話を伺います。
併せてぐるんとびーの利用についてご説明し、ご納得いただきましたら必要な契約書類の準備を行います。
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