『大切な人の老いと向き合うこと』
2021.06.05.Sat
カテゴリ:ほっこり, 美味しい
投稿者:茂内 梓
「マグロもう少し召し上がりますか??」
『食べる!!』
それが、本当にはっきり喋った最期だったかもと。
大切な人の老いと向き合う。
私はその覚悟をもてなかったことを今でも後悔しています。
同じような後悔を周囲の人にはして欲しくないです。
すごくお世話になった叔父さんに、マグロを食べさせてあげたいとぐるんとびーの仲間から相談を受けました。
なかなかお口から食べることが難しかったため、お鼻から栄養を摂っていました。
そのお鼻からの管を抜いて家に帰る。
それがどういうことか、みんなでたくさん話し合って考えました。
覚悟は決めていたものの、好きな物だったら食べられるんじゃないか。
そんな期待も少しはあったと思います。
退院されて5日目。
これ以上は、難しい。
肺炎を起こしてしまったら、思い描いているお看取りとは違う形になってしまうかもしれない。
ここからは違うステージ。
安楽な姿勢で呼吸を楽に。
痰を減らして吸引の苦痛を和らげる。
水分も含めて食べることを辞めるという提案をするタイミング、言葉選び。それを突きつけることに対する責任。
重かった…すごく重かったけど、ちゃんと伝わった。
旅立たれた後の表情はこれ以上ないってくらいの最高の表情でした。
しんどいものは一緒に背負って、些細なことでも一緒に喜ぶ。
1分1秒を鼓動を確認するように寄り添う。
旅立ちのお手伝い。
素敵なターミナルケアに関われることで私が救われています。
心より感謝申し上げます。
ぐるんとびー訪問看護ステーション
言語聴覚士 茂内(しげない)
“最期まで口から食べる“ができる地域へ
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タグ: 最期まで口から食べる