志藤 ももこ

看護小規模多機能型居宅介護/准看護師
北海道旭川市出身。O型。魚座。


患者さんの願いを
叶えられたの
ではないか、
という後悔から。

志藤さんの看護師としての歩みは、決して平坦な道のりではありませんでした。そんな中で出会った一人の患者さんが、彼女の価値観を根本から変えることになったのです。

⽣まれは北海道の旭川で、ごくごく普通の家庭で育ちました。⾼校卒業後に上京して、都内のデザインの専⾨学校に通ったのですが、卒業と同時に旭川に戻り⼦育てをする道を選びました。

そこから数年後にパートで働き始めて離婚を機に正社員で働かざるを得なくなり、初めて医療分野に足を踏み入れ病院で看護助⼿として働き始めました。30代半ばから准看護師を⽬指して子育てをしながら専⾨学校に2年通って資格を取得しました。そして、⼦どもたちの進学に合わせて札幌に引っ越して札幌市内の病院に5年ほど勤めました。その病院はすごく忙しい環境で、⽇々できることは増えていきましたが、自分の患者さんに対する向き合い⽅に疑問を感じ始めていたのです。

あるとき、私と同年代の末期がんの患者さんが、病院の⼊院⽇数制限から転院するか自宅に帰るかという選択を迫られていてご本人は「家に帰りたい!」って願っていたのですが、ご家族は悩んだ末に「家では診れないので転院させる」という判断。患者さんの願いを叶えられたのではないかという後悔の気持ちがずっと残っていました。

結局その患者さんは他の病院に転院後に病院で亡くなりました。「家に帰りたい」って⾔ってたのに。しかも私と⼀緒に帰りたいって⾔ってたんだよな…って悩んでいたときに、ぐるんとびーの「ラーメン」の映像を⽬にしたのです。

「そうだよね、
イヤだよね。
それもそれだよね」

ぐるんとびーとの出会いは、志藤さんにとって運命的なものでした。映像で見た光景が現実のものとなった瞬間、彼女の心は大きく揺れ動いたのです。

札幌からのオンライン説明会の参加を経て、2020年の9⽉に藤沢へ職場⾒学に⾏きました。そこで⽬にしたのは、ぐるんとびーのスタッフが、ご利⽤者さまが望んでいることを理解しようとしながら、様々な⾓度からケアをしている姿です。映像で観たことが、本当に現場で現実に⾏われているのを⽬の当たりにして⼼がふるえました。

ぐるんとびーのみなさんから「引っ越してくるの?」と聞かれて、「働かせていただけるなら引っ越します」と返答したときに、「勤めている病院を退職をして、ぐるんとびーで働こう」と⼼に決めました。

病院に退職の意向を伝えてから⾯談などをたくさんしていただき、私のことを必要としてくれて様々なご提案をいただいたのは本当にありがたかったのですが、ぐるんとびーで働くことで気持ちは固まっていました。

前の職場の同僚からは「まだそういうところで働く歳ではないのでは?」という⾔葉もいただきました。病院で働く看護師から⾒ると、施設で働く看護師は「⼀線を退いた⼈」みたいな印象があるのかもしれません。しかし、実際にぐるんとびーで働いてみると、それこそ第⼀線の現場で働くためのアセスメント⼒が⾝に付く最⾼の環境なのです。⼀⼈⼀⼈へのケアの掘り下げ⽅が、各ご利⽤者さまに最適だと思える計画をひとつひとつ⽴てていくので、本当に深いのです。

「⼈に寄り添うってどういうことなのだろう?」という問いを持ってぐるんとびーに⼊職しましたが、いまだに答えは出ていなくて、毎⽇のように考えています。

そして、ぐるんとびーでは⾃分⾃⾝のことを考える機会が多くあります。そういった時間は今までなかったし、そもそもそういう考え⽅をしたこともなかったので、⾃分のことがわかればわかるほど、みんなが「楽天家」って⾔ってくれる理由がわかります。

そんな楽天家な私だからこそ、⾃分と考えが異なる相⼿に対しても「そうだよね。イヤだよね。」って、受け⼊れられるのかもしれません。相⼿の考えが⾃分と異なることがあまりストレスにならないのです。「それもそれだよね」って。

もちろん、⼈対⼈なので「合う・合わない」を感じているスタッフもいると思いますし、それを⾟いと感じているスタッフもいるかもしれません。しかし、それも考え⽅次第ではいろいろな方向性が見えてきますし、一緒に考えてくれるスタッフもいます。

⾃分⾃⾝が楽になることを考えるのも⼤事だなって、ぐるんとびーに来て学びました。私自身がもっともっと楽しく生きていけるノビシロとも言えますね。

生活も医療も
看ることができる
人を目指して。

新しい環境で学んだことは、ケアの技術だけではありませんでした。自分自身の生き方そのものを見つめ直すきっかけにもなったのです。そして志藤さんが描く未来への想いとは?

相⼿のことを知るためには、⾃分⾃⾝の暮らしを⼤切にすることをぐるんとびーで学びました。今、すごく⼈間らしい⽣活をしているなって思います(笑)。うん⼗年ぶりの⼀⼈暮らしで寂しい気持ちもあって、休みの⽇にも職場に⾏っちゃうことがあります。そのうち職場に住み着くのじゃないかって思われているかもしれません。

私が将来実現したいのは、旭川にいる両親が介護が必要になったときに、そこで暮らしたくなるような施設を作ることです。⽗は今も蕎⻨屋を営んでいて元気に働いていますが、年齢も年齢なので、周りがそういう施設に⼊ったり、デイサービスに通う姿を⾒て、「オレは嫌だ」と。「やることも時間も管理されたところに⼊るくらいなら、死ぬまで蕎⻨を打たせろ」って(笑)。そして、「お前がそういう場所を作れよ」と⾔われています。その⾔葉を聞いて、ゆくゆくは私が旭川で開業できたらと将来の構想を描き始めました。

その構想に向けて、今の⾃分の⼀番の課題は資格取得です! ケアマネージャーの試験に今年⾒事に落ちまして(笑)。ケアマネージャーを⽬指しているのは、同僚の⽯川和⼦さんの影響は⼤きいですね。⽯川さんの姿を⾒て⾃分もやってみたい、と。

在宅医療・介護において、今の制度だと看護師ではケアプランを作れないのです。なので、看護師として最強プレイヤーになるよりも、最強プレイヤーをコーディネートする人になろうと。

今まで准看護師として患者さんを看てきた経験や知恵を活かして、ケアマネージャーとしてご利⽤者さま⼀⼈ひとりへケアプランを作れるようになりたいです。ぐるんとびーで働き始めてまだ⼀年も経っていません、准看護師としての経験も浅いですし、ご利⽤者さまへのケアについては全く0からで…2年くらいで身につくだろうと考えていましたが、マネジメントのことも学ぶとなると2年じゃ全然⾜りないと今は痛感しています。学べば学ぶほど課題は増えていきますね(笑)。

⽣活も医療も看ることができる⼈を⽬指して、いま⽬の前にいるご利⽤者さまへ全⼒を尽くすこと。そして、⾃分⾃⾝が楽しく暮らすこと。その先には、⽣まれ育った地元と、⼤切な両親への恩返しが待っています。

准看護師
志藤さんの歩み

30代後半で准看護師になった志藤さんは、ご利用者さまへのケアプランを作れる人を目指して、現在ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格取得を目指しています。

准看護師
志藤さんの1週間

休日は週休2日の不定休。午前中は訪問看護師としてご家庭に訪問。午後は看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)にてご利用者さまの看護をおこないます。看護業務自体はおよそ定時に終わりますが、片付けを終えた後のご利用者さまスタッフでの「雑談」の時間を大切にしています。

デザインの道から看護の世界へ、そして北海道から湘南へと人生の大きな転機を重ねた志藤さん。

末期がんの患者さんとの出会いから生まれた後悔の気持ちが、ぐるんとびーでの新たな挑戦につながりました。

「人に寄り添うとは何か」という問いを胸に、今も学び続ける姿勢は変わりません。故郷の両親への想いを胸に描く将来の構想は、彼女の成長への原動力となっています。

楽天的な性格を活かしながら、生活も医療も看ることができる人を目指す彼女の歩みは続きます。

INTERVIEW

ぐるんとびーで活躍する
スタッフのインタビューです。

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